相続において共有持分の放棄は行える?そのやり方の手順や注意点とは
2024/07/13
目次
共有不動産のトラブルに巻き込まれたくない、面倒な手続きは避けたい。
そんな理由から、共有不動産の持分を放棄したいと考えている方は、意外と多いのではないでしょうか。
そこで、今回の記事では、共有持分の放棄について、その概要から手続きのやり方、注意点を簡単にご紹介します。
持分放棄と手続きのやり方
ここでは、持分放棄についての概要と、実際に手続きを行う際のやり方をご説明します。
1:持分放棄とは何か
共有持分とは、1つの不動産を複数人で共有し、所有する権利のことです。
例えば、両親と子供が共同で家を所有する場合、それぞれの持ち分が共有持分となります。
つまり、共有持分の放棄とは、共有不動産における自分の持分を放棄することを意味します。
共有不動産は、売却や放棄に際して共有者の全員の同意が必要となるため、トラブルが発生しやすいのが特徴です。
2:相続放棄との違い
共有持分の放棄と相続放棄は、どちらも財産を放棄する手続きですが、対象となる財産や手続き方法が異なります。
共有持分の放棄は、生前に所有している不動産の持分を放棄するものであり、相続放棄は、相続によって取得した財産を放棄するものです。
3:手続きの流れ
持分放棄を行うにあたって必要な手続きは、主に2つです。
・意思表示
持分放棄を実際に行う時は、放棄したい旨を共有者に伝えなければなりません。
口頭での通知でも問題はありませんが、内容証明郵便で通知することで、証拠を残せます。
・登記
登記は、放棄したことを不動産登記簿に反映させる手続きです。
登記には登録免許税が発生します。
登記の手続きは、弁護士や司法書士に依頼するのが一般的です。
持分放棄を考えているなら注意したいポイント
共有持分の放棄は、一見簡単そうに思えるかもしれませんが、いくつかの注意点があります。
1:贈与税が発生する可能性
共有持分の放棄は、税法上、贈与とみなされる場合があります。
具体的には、放棄によって他の共有者が無料で持分を取得した場合、贈与税の対象となる可能性があります。
2:固定資産税との関係性
共有持分の放棄後も、すぐに固定資産税の納税義務がなくなるわけではありません。
登記変更が完了するまでは、放棄した当人が固定資産税を負担する必要があるのです。
3:他の共有者が先に放棄する可能性
共有者が複数いる場合、他の共有者が先に放棄してしまう可能性があります。
その場合、放棄した当人は、残りの共有者との割合で持分を負担することになります。
まとめ
共有者とのトラブルや相続人への負担軽減など、さまざまな理由から共有持分の放棄を検討する方がいますが、手続きの流れが簡単な半面、注意すべき点がいくつかあるのも事実です。
今回紹介した内容が、お客様の相続問題におけるトラブルの削減に繋がれば幸いです。