遺言書はどこまで有効?遺言書の有効範囲と定められる内容をご紹介!
2024/06/012024/06/21
遺言書は、亡くなった人の最後の意思を伝える重要な書類です。
しかし、その効力には一定の条件があり、無効となるケースも存在します。
本記事では、遺言書が法的に効力を発揮するための必要条件と、それが欠けた場合にどのように無効となるかについてご紹介します。
目次
遺言書はどこまで有効?遺言書が無効となるケース
遺言書はどこまで有効なのか疑問に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
遺言書は、相続において故人の意向を尊重するという点で最優先事項となります。
しかし、遺言書の効力が絶対というわけではありません。
遺言書が法的に効力を持つためには、以下のような必要条件を満たしていなければなりません。
1:日付、署名、押印の有無
遺言書には、作成日付、遺言者本人の署名、押印が必要不可欠です。
これらが欠けている場合、その遺言書は無効となり、効力を持ちません。
特に自筆証書遺言や秘密証書遺言の場合、作成者が遺言者本人であるため、要件を満たしていないケースが多々あります。
一方、公正証書遺言は専門家である公証人が作成するため、様式の不備による無効は稀です。
2:相続人全員の合意による分割方法の変更
遺言書の内容に納得がいかない相続人もいるでしょう。
原則、遺言書が優先されますが、相続人全員が納得いかない場合は話が別です。
相続人全員の総意で遺言書と異なる分割方法に合意すれば、その合意内容で相続を実行できます。
3:遺言書の開封と検認手続き
遺言書は本来、家庭裁判所での検認手続きを経て、検認期日に裁判官が開封し内容を確認するのが正式な流れです。
ただし、検認前に遺言書を開封しても、正式な遺言書であれば効力には影響ありません。
開封した場合は、そのことを正直に申告した上で手続きを行いましょう。
なお、相続人が勝手に開封するのは法律違反で、5万円以下の罰金となる可能性があります。
4:遺言書の効力発生時期と期限
遺言書の効力は、遺言者が亡くなった時点から発生し、その効力に期限はありません。
つまり、遺言者が死亡する何十年も前に書いた古い遺言書でも有効です。
ただし、遺言者が一度作成した遺言書を撤回した場合、撤回された遺言書の効力は無くなります。
遺言書で定められる相続の自由度
遺言書を活用すると、法定相続とは異なる多様な相続方法を指定できます。
以下に、遺言書で定められる主な事項と具体例を紹介します。
1:相続分の指定と遺産分割方法の指定
遺言書を作成すれば、法定相続分以外の割合で遺産を分配したり、特定の相続人に多くの遺産を取得させたりできます。
例えば、長女、長男、次女など特定の相続人にすべての遺産を取得させることもできます。
また、遺産分割の方法を指定したり、第三者に委託したりすることも可能です。
2:遺贈と寄付
遺言書により、相続人以外の人に遺産を遺贈できます。
内縁の妻、孫、お世話になった人など、相続人でない人に遺産を取得させたい場合に有効です。
また、遺産をわたす相手がいない場合、遺言書を作成しておけば、遺産を法人や慈善団体などに寄付できます。
3:相続人の廃除(相続権消失)
虐待や重大な侮辱などをしてきた相続人に遺産を渡したくない場合、遺言によって相続権を消失させられます。
まとめ
本記事では、遺言書が法的に効力を発揮するための必要条件と、無効となるケースについて解説しました。
遺言書は、日付、署名、押印の有無、相続人全員の合意による分割方法の変更、開封と検認手続き、効力発生時期と期限など、一定の条件を満たす必要があります。
また、遺言書を活用することで、相続分の指定、遺産分割方法の指定、遺贈、寄付、相続人の廃除など、多様な相続方法を定められます。
遺言書は、故人の意思を尊重し、円滑な相続を実現するための重要な手段といえるでしょう。
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