代償分割と相続税!代償分割のメリット・デメリットをご紹介します!
2024/06/08
相続は家族にとって重要な問題ですが、遺産分割の方法次第では相続人同士のトラブルにつながる可能性があります。
その中でも、代償分割という方法は公平性を保ちながらトラブルを回避できる有効な手段として注目されています。
今回は、代償分割のメリットとデメリットについて解説していきます。
代償分割と相続税!代償分割のメリットをご紹介します
代償分割とは、遺産分割の際に価値の高い不動産を一部の相続人が引き継ぎ、他の相続人に法定相続分に応じたお金を支払うことで、全員が納得のいく解決を目指す方法です。
代償分割のメリットは以下の通りです。
1:比較的公平に遺産分割ができる
現物分割で特定の相続人が価値の高い不動産を独占すると、他の相続人は不公平感を抱きがちです。
代償分割では、不動産を引き継ぐ相続人から他の相続人へ法定相続分に応じた金銭が支払われるため、全員が納得のいく分割が可能となります。
2:財産を手元に残せる
換価分割で不動産を売却してしまうと、せっかくの財産が失われてしまいます。
代償分割なら不動産を手元に残せるため、次世代へ財産を引き継げます。
また、将来的な資産価値の上昇も期待できるでしょう。
3:相続税の負担を軽減できる可能性がある
代償分割で土地を手元に残せば、「小規模宅地等の特例」の適用を受けられる可能性があります。
この特例が適用されれば、相続税額を大幅に減らせるのです。
4:不動産の「とりあえず共有」を防げる
不動産を「とりあえず共有名義」にすると、将来的なトラブルの原因になりかねません。
代償分割を選択すれば、共有状態を解消でき、トラブルの未然防止につながります。
代償分割のデメリット!考慮すべきリスク
代償分割にはメリットが多い一方で、いくつかのデメリットやリスクも存在します。
1:相続人の資金力が必要
不動産を引き継ぐ相続人は、他の相続人に代償金を支払う必要があります。
相応の資金力がない場合、代償分割は難しいでしょう。
分割払いも可能ですが、未払いが発生するとトラブルに発展する恐れがあります。
2:適切な代償金の算出が求められる
代償金の金額は、不動産の評価方法によって異なります。
「相続税評価額」や「代償分割時の時価」など、さまざまな評価方法があるため、意見が分かれて分割協議がまとまらないこともあります。
3:手続きの不備により贈与税や所得税の課税リスクがある
代償金の支払いには贈与税がかからないのが原則ですが、手続きに不備があると贈与とみなされる場合があります。
例えば、受け取る財産よりも高い代償金を支払ったり、遺産分割協議書に代償分割の記載がなかったりすると、贈与税の課税対象になる可能性があります。
また、代償金を現金以外で支払う場合、譲渡所得税が発生するリスクもあります。
まとめ
代償分割は、遺産分割の公平性を保ちながらトラブルを回避できる有効な方法です。
不動産を一部の相続人が引き継ぎ、他の相続人に金銭を支払うことで、全員が納得のいく解決を目指せます。
また、財産を手元に残せるため、将来の資産価値の上昇も期待できるでしょう。
ただし、代償分割を行う際は、相続人の資金力や適切な代償金の算出、手続きの正確性など、いくつかの注意点があります。
不適切な評価や手続きの不備は、贈与税や所得税の課税リスクにつながる可能性があります。
さらに、分割に関する合意が不足していると、後のトラブルに発展するおそれもあるのです。
代償分割を検討する際は、これらのメリットとデメリットを十分に理解し、専門家のアドバイスを受けながら慎重に進めることが大切です。
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