共有名義片方死亡放置するとどうなる?相続登記をしないと不動産を売却できない理由
2024/07/012024/07/05
目次
相続登記の必要性を認識していない方や、不動産を売却したいと考えている方にとって、共有名義の不動産の管理や相続は大きな課題となります。
特に、共有名義の片方が死亡した場合、不動産を放置することでどのような影響があるのか、またその際に選択できる方法について知っておくことは重要です。
この記事では、共有名義の不動産を放置する場合の選択肢と、放置することで生じる不動産活用のリスクについて詳しく解説します。
共有名義の片方死亡後に不動産を放置する方法
共有名義の不動産を放置することを考えている場合、いくつかの方法があります。
1:相続放棄する
相続放棄は、相続人としての権利を放棄する方法です。相続放棄を行うことで、共有持分を取得しない選択が可能になります。相続放棄をした相続人は法的には遺産分割の対象外となります。これは、共有持分を回避するためや、相続財産に多額の負債が含まれている場合、または遺産分割に関連する問題を回避するために役立つ方法です。
2:法定相続分を売却する
自身の法定相続分がある場合、その法定相続分を遺産分割が確定する前に売却できます。
この方法を選択することで、共有持分を持たずに遺産分割に関連する問題を回避し、現金を手に入れられるのです。
ただし、相続財産が複数の種類(現金・不動産・証券など)から成る場合、特定の法定相続分だけの売却はできません。
3:一旦相続した後に共有持分を放棄する
遺産分割を完了し、一度相続した後に共有持分を放棄する方法もあります。
この場合、放棄した共有持分は他の共有者に帰属し、他の共有者の同意は必要ありません。
4:一旦相続した後に共有持分を売却する
遺産分割手続きを終えた後、共有持分を売却する方法も考えられます。
この場合、自身の意思で自由に売却でき、他の共有者の同意も不要です。
ただし、共有持分は需要が限られているため、通常の不動産会社に相談しても断られたり、価格が低く提示されることがあります。
放置すると不動産活用は制限される?
共有名義の片方死亡後に不動産を放置すると、不動産活用が行えなくなるリスクがあります。
以下にそのリスクを解説します。
1:不動産を売却できない
相続財産の大部分が不動産である場合、相続人間で分け方の合意が難しくなります。利用する予定のない不動産は、すぐに売却したいことがあります。しかし、共有名義人の片方が死亡した後、他の共有名義人が相続人のひとりかもしれません。この場合、被相続人の共有持分は相続財産の一部として処理されなければなりません。相続登記をしていない場合、被相続人名義のままでは不動産を売却できません。
2:不動産を担保にできない
不動産を担保に金融機関から融資を受けることがありますが、相続登記を行っていない場合、被相続人名義の不動産では抵当権を設定できません。担保に出す権利を持つのは相続人ですから、相続登記を省略することはできません。相続登記をしていないと、金融機関が抵当権を設定できず、融資を受けることが難しくなります。
まとめ
共有名義の片方が死亡した後に不動産を放置することは、不動産活用に大きな制約をもたらします。相続放棄や法定相続分の売却、一旦相続した後の共有持分の放棄や売却といった選択肢がありますが、どの方法を選んでも相続登記を行うことが重要です。相続登記を行わずに放置すると、不動産の売却や担保設定ができなくなるリスクがあるため、迅速に適切な手続きを行うことをお勧めします。