【不動産売却の質問】一般媒介だとヤル気がでないって本当!?
2022/12/122022/12/12
今回は訪問査定した際に、お客様から頂いたご質問を共有して、私なりの考えをお伝えさせて頂きます。
その質問がこちらです。
「一般媒介契約の場合、不動産会社さんはヤル気がでないって聞いたのですが本当ですか?」
という内容です。
私の個人的な意見としては、「半分ホントで、半分ウソ」という感じです。
一般媒介というのは、複数の不動産会社を窓口に販売活動を進めてもらう方法です。
そして売主さんがA,B,Cという3社に一般媒介で売却の契約を依頼したとします。
その結果、Aの不動産会社が買主を見つけてきたら、売主さんはAに仲介手数料を払います。そうすると、残りの不動産会社B,Cは一生懸命販売活動を頑張ったにもかかわらず、一銭も報酬をもらうことができません。ということはB,Cは赤字です。
だから業界の中にいる私のイメージでいうと、最初は自社で買主を見つけられるように必死に頑張りますが、販売が長期化していくと、だんだんと力が入らなくなっていく、といった印象があります。
確かに一般媒介のメリットとしては、囲い込みされず、最初は各社で競い合うので、早く高く売れる可能性はあります。
でも一般媒介はデメリットも多くあって。
まず、一般媒介で預かっているということで他の不動産会社も一般媒介で販売活動させて頂けませんか?といろんな会社から飛び込みの営業がきてうっとおしくなる可能性があります。
また、依頼した会社が、どこもレインズに掲載しなかったら、専任でレインズに載せた方がアプローチ数が多くなる可能性もあります。
それと一般媒介の場合、市場の反響を把握できないので、戦略が練りずらいということです。不動産会社からすると、反響が分散され、今の価格や販売方法があっているのか、データどりができない為、価格修正のタイミングや販売戦略を立てにくくなってしまいます。
あとは、一般の場合、本当に売主のミカタになってくれる会社がいないということです。
これはどういうことかというと、他社に契約を取られて赤字になるくらいなら、売値が多少安くなろうとも自社で成約させたほうが良いので、値引き交渉にも積極的になりがちです。要は、一般媒介の場合、買主側に立たれてしまうというリスクがあります。
そして、私が思う、一番のデメリットは、依頼する不動産会社との信頼関係が築けないということです。
この信頼関係があることで、担当者は少しでも売主様の手残りを増やそうと頑張れるので、担当者を信じて専任で依頼してあげることをオススメします。ただし、囲い込みをせず、幅広くアプローチしてくれる会社に限りますが。
逆に一般媒介の方がオススメの方もいます。
どんな人かというと、売却を急いでいて、相場価格で売りに出し、なおかつ、短時間では信頼できる担当者を決められなかった場合は、一般媒介でも良いと思います。
一番の致命傷は、売り急いでいることを良いことに、足元を見られ、囲い込みされて買いたたかれてしまうことです。だから、リスクを回避するためには一般媒介をオススメします。
それ以外の、少しでも高く売りたい場合は、売却のパートナー選びを慎重に行い、一度依頼した担当者のことを信用して、いろいろと戦略を一緒に練っていけば良いと思います。
不動産売却を成功させるコツは、シンプルなことですが、本当に売主様の味方になってくれる人は誰なのか?そこを突き詰めていけば、おのずと答えが出てくるはずです。
そして一般媒介の場合は、不動産会社の都合上、完全に売主様の味方になる、ということが難しいことも、理解しておいたほうが良いと思います。