離婚時のオーバーローンは財産分与で折半できる?
2026/04/202026/05/08
目次
離婚という人生の大きな節目において、住まいに関する問題は避けて通れない大きな課題の一つです。
特に、住宅ローンが残っている自宅が、その価値を上回る「オーバーローン」の状態にある場合、財産分与や今後の処理についてどのように考えれば良いのか、多くの方が悩まれることでしょう。
今回は、離婚時のオーバーローン物件の整理方法について、分かりやすく解説します。
離婚時のオーバーローンは財産分与で折半できるか
原則折半はしない
離婚にあたり、夫婦で築いた共有財産を公平に分け合う財産分与が行われます。
しかし、住宅ローンの残高が自宅の市場価格を上回る「オーバーローン」の状態にある場合、その家自体はマイナスの財産とみなされることが多く、原則として財産分与の対象とはなりません。
したがって、住宅ローン残債を夫婦で折半する法的な義務は、原則として生じないと考えられています。
他の財産と合わせて判断される
オーバーローンの家だけの状況で財産分与が判断されるわけではありません。
預貯金、自動車、有価証券など、夫婦が所有する他のプラスの財産と、住宅ローンの残債を合わせて総合的に判断するのが実務上の一般的な考え方です。
例えば、自宅の評価額が1,000万円で住宅ローン残債が1,500万円(マイナス500万円)であっても、他に2,000万円の預貯金があれば、夫婦全体の財産はプラス1,500万円となります。
この場合、このプラス分から住宅ローンの残債の一部を相殺するなどして、残った財産を公平に分配することになります。
名義人が返済義務を負う
住宅ローンは、契約に基づき特定の人物(名義人)が金融機関に対して返済義務を負います。
離婚後も、原則として住宅ローンの名義人が引き続き返済義務を負ことになります。
夫婦間で、名義人以外が残債を負担するなどの特別な合意がない限り、名義人自身が返済を継続する必要があります。
住宅ローンの連帯保証人になっている配偶者も、名義人が返済できなくなった場合には請求を受けるリスクがあるため、注意が必要です。
離婚時のオーバーローン家はどう処理するか
任意売却で売却する
オーバーローンの家を売却する場合、通常の売却ではローンを完済できないため、金融機関の許可を得た「任意売却」という方法が選択肢となります。
任意売却では、市場価格に近い価格での売却を目指すことができ、売却後に残るローンについても、金融機関と相談して無理のない返済計画を立てられる場合があります。
将来的な競売を避けるためにも有効な手段です。
自己資金で残債を完済する
もし、預貯金などの自己資金で住宅ローンの残債を全額、あるいは一部でも返済できるのであれば、それを充当してローンを完済した上で家を売却する方法も考えられます。
これにより、オーバーローンの状態を解消し、通常の売却手続きを進めることができます。
家が残っていることによる将来的なトラブルを防ぐためにも、可能な限り検討したい方法です。
リースバックで住み続ける
離婚後も、どちらか一方、あるいは夫婦ともに、これまで住んでいた家に住み続けたいというケースもあります。
その場合、「リースバック」という方法が考えられます。
これは、家を不動産会社や投資家などに売却し、その売却先に家賃を支払って住み続けるという仕組みです。
売却によってローンを整理しつつ、住み慣れた家での生活を継続できるというメリットがありますが、売却価格が相場より低くなったり、家賃負担が生じたりする点に留意が必要です。
まとめ
離婚時のオーバーローン物件は、財産分与で単純に折半できるわけではなく、原則として名義人が返済義務を負うことになります。
ただし、他の財産と合わせて総合的に判断されるため、一概に価値がないとは言えません。
家の整理方法としては、任意売却や自己資金での残債完済、住み続けるためのリースバックなどが選択肢となります。
人生の大きな転機だからこそ、ご自身の状況を正確に把握し、専門家のアドバイスも参考にしながら、後々のトラブルを未然に防ぐための最適な方法を選ぶことが肝心です。
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